「これは無理かもしれない」と思いながらも 理想を持ってる人におすすめしたい。
賑やかな商店街の脇道に、突然現れる窓のない不思議な建物。外壁を塗装中、道行く人に幾度となく「何ができるんですか?」「美術館ですか?」と聞かれたほど、界隈では有名なお家です。施主の黒田様は、ご夫婦と2人の息子さんと4人暮らし。システムエンジニアのご主人と専業主婦の奥様は、高校生からの長いお付き合い。ご主人のいい所は、「優しいところ。優しいけれど、意見を出し合うときはいつも喧嘩」と笑う奥様。家をつくるときは、色や質感など細部の意見が合わず、1つ1つ喧嘩していたとか。「僕はすべて自分の目で見ないと信用できないんです」言いながらも、「妻はしっかりしてるんで全部任せられます」とご主人。インタビューは自然光が差し込むリビングで行われ、始終和やかな雰囲気に包まれていました。
--- 新築されたきっかけは?
ご主人:賃貸マンションに住んでいたのですが、家族4人になって手狭になりまして。
奥様:前の家もリノベーション物件で、古いから寒かったり暑かったり。
ご主人:最初は、中古も新築もマンションも一戸建てもすべて検討してたんですけど、僕がまずこの土地を見つけて。
奥様:もともと古い店舗が3~4軒建っていた土地でかなり変わった形なので、ここに家が本当に建てられるのかな?っていうのが疑問でしたね。
ご主人:河上さんにも「この土地でできるんですか」って相談させてもらって。
奥様:断られることもあったもんね。
ご主人:あったあった。何社か聞いてみたのですが、アルフレンテさんは「やってみます」という風に言ってくれて。
奥様:こういうお家を作れますよっていう模型を見せてもらって。
ご主人:それで土地を契約しました。
--- アルフレンテを見つけたきっかけは?
奥様:インスタで広告が出てきたので完成見学会に行きました。
ご主人:その時はまだ土地も決まってなくて、リノベーションを検討している段階でした。この土地は長男の小学校の校区内で探していて、ずっと印象に残っていて。
奥様:校区内で探すとどこも高くて。で、この土地で作れる家を何社か提案してもらったのですが、アルフレンテさんの提案が1番良かったです。設計士さんとの家づくりは理想だったけど、他のところに聞いたらすごく高かったし。
ご主人:他の設計事務所に行った時、こっちの意見を聞かずに、自分はこんな家を作りましたよ、とか、山奥のこんな家に住みませんか、とか。素敵な家かもしれないけど、僕たちはそんな山奥に住みたいわけじゃないし(笑)。その辺は、ヤベ先生は全然違ってこっちの意見を聞いてくれましたね。こっちの意見を軸にヤベ先生目線で落とし込んでくれたのはすごく良かったですね。
- --- 初めてプランニングを見たときの感想は?
ご主人:僕らの要望はほとんど反映されていましたし、予想を超える位のプランニングでした。もちろん全てではないですけど、スキップフロアとか、僕らが想像していなかったことも提案してくださいました。
奥様:最初、とにかくこっちの要望を好きなだけ出したんです(笑)。
ご主人:エクセルの表にしてバーッと。ここは土地も狭いし奥行きも狭いから。
奥様:どう広く使えるのかっていうことが。狭すぎてできるのかなって。
ご主人:最初は怖さしかなかったですよ。
奥様:せっかくつくってもらったけど、細すぎたらどうしようって。
担当者:ご要望に優先順位A~Dまでついたエクセル表が送られてきました(笑)。
ご主人:妻と2人で作りました。僕らは素人なんで物理的に無理とかはあると思うんですけど、1番はじめなんで書けるだけ書きましたね。優先順位を付けておけば営業の人も妥協できる部分とそうでない部分がわかりやすいかと思って。
担当者:エクセルの表まで作ってくださる方は少ないですし、箇条書きで書いてこられる方はおられても優先順位まではなかなかないですね。いつもは僕たちから「優先順位を考えてくださいね」って言うんですけど、先に書いてあって、優秀な方たちだなって。
ご主人:いろいろ書きましたね。Cが積極的に妥協できる。Dが消極的に妥協できる…。Dあったんでしょうか。
担当者:ないですね(笑)。
ご主人:結局妥協してないですね(笑)。
河上:このエクセルとイメージの写真を送っていただきました。施主さんがどういうテイストがお好きなのかもわかりますし助かります。
ご主人:最初に作ってもらった模型を見たときも、ああ、いいなあと思いました。他で作ってもらったものとは全然違いましたね。
--- 予算で悩んだこと、考えたことは?
ご主人:お金のことは考えないようにしていました(笑)。
奥様:アルフレンテさんに要望を好きなだけ言ったら値段は上がったんで、そこから引き算していって。
ご主人:イヤな引き算はなかったもんな。ここはどうしても譲れない、とかもなかったし。
奥様:あったんじゃない?(笑)。素材にこだわりすぎるから。壁も全部塗装だし。
担当者:最初はご主人「全部クロスでいいんですよ」とおっしゃってたんですよ(笑)。
奥様:そこ結構お金がかかりますからね(笑)。ぬり壁と床は絶対譲らなかったです。
ご主人:うん。細かいところですけどね。
--- 営業担当者の第一印象は?
ご主人:最初は完成見学会のときだったのであいさつ程度でしたけど。
奥様:2回目の打ち合わせのときはずっと話を聞いてくれてましたね。できる、できないをはっきり言ってくれたのも良かったです。
ご主人:なんていうか…僕たちのスピードと河上さんのスピードが合ってたんですよね。他の会社だと、営業の人がすごいスピードで契約まで持っていこうとしたりして。ウッドショックなんで今月までだと安いですよとか(笑)。気持ちはわかるけど、僕たちも初めての家づくりだから慎重に歩いていきたいんですよね。あまり急ぎすぎてもゆっくりすぎてもだめだし、その歩調が合っていました。あと、家は大きな買い物だから、その施工会社さんの人柄も含めた買い物だと思うし。そこは大事ですよね。いい設計が出てきたとしても何か合わない営業さんだったりすると、契約には至らないと思う。河上さんは、妻も言いましたけど、できる、できないをはっきり言ってくれるし、会ってから信頼を構築するまでの時間がかからなかったです。これくらいでいいですか(笑)。
担当者:もっとください(笑)。
ご主人:(笑)。若いのに聞き上手、っていうのもありましたね。落ち着いてるっていうか、営業さんって、あまりガツガツしすぎるのも困るけど、受け身すぎてもね。こっちもプッシュされないと動けないし、その辺のバランスが上手いですよね。テクニシャンですね(笑)。
--- 一番大変だったこと、苦労したことは?
ご主人:僕らは大変なことなかったけど、河上さんが大変でしたよね(笑)。お客さんと会社に挟まれて。
奥様:これやりたいから予算内に抑えないとっていう所ですごく調整してくださったと思います。
担当者:いや、無茶は言われてませんので(笑)。減額は大変な作業ですけど、皆さんやることですし、逆に会社や職人さんの事まで思って下さる方たちなので、それほど大変ではなかったです。こちらも気持ちよく仕事をさせていただきました。
--- 家づくりで一番楽しかったことは?
ご主人:全部楽しかったですね。それこそ外壁なんか、16種類くらいの色からサンプルを取り寄せて。
奥様:同じような色なんですけど(笑)。
ご主人:日中と夜見た時と色が違うんです。
担当者:普通は工務店側がつくるサンプルをご自分で作られるんですよね。コーナンとかで木を買って。ご主人からラインでこれ買ったらいいですかねってメッセージが来て。おお、これを買うのか!って (笑)。
奥様:ショールームに行ったら河上さんに会ったことが2回位ありますよね(笑)
担当者:他のお客さんを案内してて。黒田さんは先に行かれるんですよね(笑)
ご主人:僕の性格上、自分で確認して納得したいんですよね。人にお任せするのは楽なんですけど、何かあったときにその人のせいにしてしまう。こんなはずじゃなかったって。
奥様:それが嫌だから全部自分でやるんだよね。
担当者:普通はその発想に至らないと思うですよ。わからないし。
ご主人:僕は逆なんですよ。自分たちのものなのになんで人に任せるの!?って。設計とか申請とか耐震がどうとか、専門的なことはまったくわからないからお任せしますけど、できることはみんなやりたいと思って。
奥様:1こ1こ、全部見たね。
ご主人:ほんとに全部見た(笑)。だから、全部楽しかったです。
奥様:楽しいところもあるんですけど…それで毎回揉めるから(笑)。他の人から見たら一緒やし、どっちでもいいやん?って思う位細かいところで意見が食い違いました。質感とか。あと、床の塗装は自分たちで塗りましたね。
ご主人:こっちが努力してる姿勢も河上さんに見せないと(笑)。
奥様:壁も一部は自分たちで塗りました。
河上:最初は全部塗ろうとしてましたよね(笑)。
ご主人:自分たちで塗ったら50万円位減額か…とか。でも失敗したらいやだし。トイレの洗面代の狭い所を塗るだけで腕が上がらなくなりました(笑)。
--- 現場の対応はどうでしたか?
ご主人:職人さんとか大工さんもみんな良かったです。前の住まいと近かったからしょっちゅう見に行ってたんですけど。僕らは見た目のテクスチャーとか気になりますけど、家づくりの本質って職人さんだと思うし。
奥様:現場監督さんもすごく細かくやってくれてました。
--- 住んでみた感想とお気に入りの場所を教えてください。
ご主人:住み心地はめちゃくちゃいいですね。いろいろ楽しみながら家づくりをしたので。いい意味での想定外はめっちゃ明るいところ。窓がなかったから日中も電気は付けないといけないかなと思っていたけど、つけなくても本当に明るい。あと壁も一面塗り壁にしてよかったし、天窓も付けてよかった。高かったけど建具もこれにしてよかったなとか、やってよかったことばかりです。
奥様:子どもの友達も「すごーい」って言ってくれますね。
ご主人:数字以上の広さが感じられるので狙い通りですね。
お子様:豪邸やん!って言ってくれてる。
奥様:(笑)そんな広くないのに広く見えるねんな。私はリビングの窓が全開するところもすごく気に入ってます。
お子様:僕は1階の床と壁と、下の物置!
奥様:子どもは収納スペースに入ったりするの好きですよね(笑)
ご主人:僕は天窓から壁に入る光りが時間によって陰影が変わるのが気に入ってます。時間ごと季節ごとに表情が変わるんで。
奥様:リビングの窓も、季節によって光の量が変わるんですよね。外から見たら窓がない家だから大丈夫ですかって言われるんですけど。
--- これからこの家でやりたいことはありますか?
奥様:そうですね…。壁を塗るのとかは楽しかったから、まだまだできる (笑)。
ご主人:これから職人になって稼いでくれてもいいけど(笑)。楽しみなのは、床とか経年変化を楽しめるので、自分たちで育てていくというか、毎年この時期にはワックスをかけたり、メンテナスも楽しみですね。
--- また家を建てるとしたらこうしたいということはありますか?
奥様:全然思いつかないですけど(笑)。わがままを全部聞いてもらったから。
ご主人:さっきは全部楽しかったって言ってましたけど、家を1軒建てるのってめちゃくちゃ大変なんですよね。すごい労力が要る。もういいわっていう位(笑)。この1年間ほんとうにやりきったので、もしこれから家を建てる人がいたら本当に後悔のないようにって言いたいですね。あとは情報収集。情報は取れるだけ取っておいたほうがいいと思います。昔の雑誌も最新のインスタも。今って施工事例が溢れるほどあるけど、めちゃめちゃ集めました。そういう情報から好きなところを選びました。
河上:自分がどういうのが好きな、どんな風にしたいかっていうのを集める作業ですよね。
ご主人:そうですね。知ってるのと知らないのとでは、後からこんなのがあったのかって後悔することもないし。
河上:会社の情報収集もしました?
ご主人:会社はそんなにしてないですね。HPの施工事例とか見たらだいたい雰囲気わかるし。HP上で会社のセンスはだいたいつかめますね。アルフレンテさんはテイストが近いかなと感じました。
--- アルフレンテに相談する前から実際に住んでいく中での気持ちの変化について。
ご主人:相談に行く前は何もわからないからすべてが不安。不安の塊ですよね。営業さんがどんな人かも、どんな会社かもわからないですし。実際に相談して話が進んでいくとその不安はなくなってきたけど、その反面期待が出てきますよね。
奥様:最初はできないことが多すぎるんじゃないかっていう印象じゃなかった?
ご主人:そうそう。
奥様:「できないですよ」って言われることが多いんじゃないかなって。でも、相談していくうちに「これはできますよ」っていうのが多くなって、不安は減っていきました。
ご主人:最初は何かできるのか、いくらでできるのか、この土地でできるのか、何もわからないですからね。それが、妻が言うようにできることが多かったんで。
奥様:工事中も頻繁に行ってたよね。
ご主人:家の形はわかってるけど、実際どのくらいの広さなのかわからないから。出来上がっていくうちにちょっとずつわかってきましたけど。一番びっくりしたのは基礎。基礎ができたときに「うわ、俺やってもうたな」って。めちゃくちゃ狭く見えるんですよ。俺たちこんな狭いところに住むのって(笑)。みんなそう思うらしいんですけど。狭小地の変形なのですごくそれは感じましたね。
奥様:そうそう。めっちゃ狭いんちゃうって(笑)。
ご主人:設計図だけだと広く見えたりしてたんですけど、床と壁ができると空間がイメージしやすくなるんですね。
--- アルフレンテと設計事務所に頼んで一番よかったことは?
ご主人:設計士さんって値打ちあるなと思いました。特に、施工会社さんに在籍してる設計士さんとフリーランスの設計士さんではまた違うんじゃないかと。当たり障りのない作業的な図面と、この土地にベストな設計はこれだ!っていう図面と。その辺は違うのかなって思います。1つの案件にかける情熱は違うと思います。
河上:そうですね。会社のスキルっていうのもあると思いますけど、そのお客さんに対してベストなものを提案したいっていう熱量は違うと思います。
ご主人:で、設計士さんはフリーランスだけど、アルフレンテさんとの意思疎通がしっかりできてたのはすごく安心できました。やりとりがすごくスムーズで。アルフレンテさんと設計事務所さんと僕たちが、三権分立じゃないですけど(笑)、うまくチームでやっていけたのが良かったですね。
--- どんな人にアルフレンテと設計事務所の家づくりをオススメしたいですか。
ご主人:家を建てられたらなんでもいいっていう人ではないですね。
奥様:こだわりがある人?
ご主人:ちょっとでも、これは無理かもしれないと思いながらも理想を持ってる人。
奥様:そういう人はいっぱいいるよね。
ご主人:うん。自分たちでは絶対無理だろうなと思いながら、ちょっとでも理想があるのであれば、ノックしてみてもいいかもしれないですね。「劇的ビフォーアフター」を見ていいなと思った人ならアルフレンテさんのドアをノックしてください(笑)。できる、できないは別として1回言ってみるのは大事ですよね。
奥様:壁を自分で塗りたいとか言っても無理なところも多いよね。
ご主人:そうそう。アルフレンテさんは、結構自由にさせてくれたじゃないですか。頼んでもらったほうが会社の利益になるし、使いたい業者さんもいるだろうけど。そこを会社の利益だけを考えるのではなく、僕らの希望を叶えてくれましたよね。今回外壁を塗ってもらったのも僕の知り合いの左官屋さんだし。河上さんは僕たちがお願いしたことをすぐに無理っていうのはなくて、1回検討します、と言って可能性をさぐってくれてから、無理なら無理とはっきり言ってくれます。さらに、これは無理だけど、こういうのならいけますよっていう提案をくれる。河上さんには家を売ろうとするっていう感じがなくて。作ろうとするって感じ。僕も家買ったっていう気がしてなくて。それって幸せなことですよね。他の会社では実現できなかったと思います。…今僕めちゃくちゃいい事言いましたよね(笑)。
河上:はい(笑)。今ご主人が言われたことは、僕たちが意識してやってることなので、そう感じてもらえたのはうれしいですね。
ご主人:買った感覚がないんですよね。買ったことを思い出すのは毎月河上さんの顔が浮かぶ支払いの日だけですかね(笑)。
この家を一言で言うと…「洞窟」。
外の世界と切り離された異空間。階段は上下を行き来するだけではなく地形の一部のようにも感じられます。上の階は明るくて風通しもよく、竪穴住居のよう。日が落ちて暗くなると静かな洞穴に潜っていく…。洞窟だけど、明るくて風通しも良い。みんなで作った素敵な洞窟です。
お忙しい中、インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!